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さくら野俳壇-2013- |
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* 空耳てふ甘き誘惑片時雨 * 山茶花散る時代遅れの紅差せば * 天金の叢書ふたたび寒昴 (仏プレイヤード全集⇒こじつけ懐旧) * 出世魚と一蓮托生大根煮る * 数へ日や座る者なき椅子ひとつ 《果豆》 (2013.12.10) |
* 河鹿鳴き追慕の幻聴上書きす * 雲の峰にらみ返せば横向きに * 月煌々遠き日母の買ひし山 * 山霧に肩身広ごる紫煙かな * 母逝きてやうやく参る秋彼岸 《果豆》 (2013.9.20) |
* 今日からは自在に巡れ余花の里 * 振り向けば青嵐ただ青嵐 * 子が仰ぎ母の見下ろす若葉かな * 残像の母と降り立つ薔薇の駅 * 鶯の元気な朝(あした)母葬る 《果豆》 (2013.5.30) |
* 駆け廻る仔犬の赤き春着かな
* 空気まだ澄む町を発つ旅始 * 蕗の薹あの日の母の歳を超え * 山笑ふ息災なれと明日も又 * 草芳し固き頭の緩ぶほど 《果豆》 (2013.3.8) |