カーステから流れているのは「木綿のハンカチーフ」。
都会に出た青年が享楽に溺れ、故郷の恋人を忘れていく。
太田裕美の舌足らずっぽい声が甘く響く。
そしてついに破局。
♪あなた、最後のわがまま、贈り物をねだるわ、ねえ、涙ふく木綿のハンカチーフください、ハンカチーフください♪
歌はここで終わるが、謎が残る。
男は木綿のハンカチーフをヌケヌケと女に贈ったのだろうか?
そんなことできるはずがない。
それとも女の願いをすげなく拒否したのだろうか?
それもできないはずだ。
困りきったにちがいない。
可憐で純情でけなげな女の、最後の要求は、実はものすごい。
おお、こわ…
(亮)
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