カーステから流れているのは「異邦人」。エキゾチックな前奏に続く歌い出しに久保田早紀の才能があふれている。
♪子供たちが空に向かい両手を広げ、鳥や雲や夢までもつかもうとしている♪
この出だしは何度聞いてもたいしたものだ。ハスキー気味の声もよい。しかし、黙って聞いていると、どうも感心しませんな。
♪あなたにとって私、ただの通りすがり、ちょっと振り向いてみただけの異邦人♪
何のことはない、海外旅行中の若い女の子がトルコあたりでイルハンみたいな女たらしに一目惚れ。簡単に引っかけられた。ところが彼女、自身の軽率さをまったく反省していない。けしからん旅であるが、不思議なことに歌になると美しい。
(亮)
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