カーステから流れているのは「ふれあい」。
悲しみに出会うたび、あの人を思い出す
こんな時そばにいて、肩を抱いてほしいと
という歌い出しのはずなのだが、声が車の走行音にかき消される。中村雅俊の本業は俳優。その彼がつぶやくように歌っている。運転中のカーステで聞き取れないのも仕方ありません。静かな室内で落ち着いて聴くべき歌です。
歌が聞こえないから歌の中身はさておいて、「ふれあい」という曲名について。この歌が出たころは新鮮な響きがあったのでしょう。でも今は「ふれあい道路」「ふれあい会館」「ふれあい広場」等々が日本中にわんさかある。「ふれあい」「さわやか」「やすらぎ」の三つは公共施設の三羽ガラス。役人言葉のトップスリー。作詞家はもう使えないでしょうなあ。
(亮)
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