カーステから流れているのは「国境のアゼルバイジャン・コニャック」。
ロシアの空気が濃密に漂ってくる。小室等の歌だが、こんな曲がよく作れたものだ。
アゼルバイジャン・コニャックはブランデーの銘柄。そんなに上等ではない。国境のひなびたキオスクにそれが置いてあった。そのマイナーさがたまらなくリアル。
♪頬をなぶる雪を解かすアゼルバイジャン・コニャック♪
どんなブランデーでも、冬のロシアでは大変ありがたいものです。
♪君の心熱くするアゼルバイジャン・コニャック♪
女が一緒であれば、なおさらありがたいものです。
♪心配しないで、雪の道でも、ドミトリーエフの腕は確かさ♪
このドミトリーエフはロシアによくいる職業運転手。その車の後部座席に一組の男女。女はロシア人。男は日本人。いかん、妄想めいたディーテールが去来する。
(亮)
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