カーステから流れているのは「潮風を待つ少女」。安達明の甘い声。若い女の子たちが夢中になったのもわかります。
♪海の向こうから潮風にのって、きっとしあわせ来るという
だからいつでも はまなすの 花の咲いてる砂山で
ああ、君は潮風を待つ少女♪
「潮風を待つ少女」という言葉がこの歌の肝であり全部です。そのひと言で海辺の景色が広がる。少女の姿が見える。この言葉さえあれば、歌詞はあとからついてくる。
しかし、思うに、実際の光景は、少女が海を見ていただけ。おそらく本人は意味もなくボーと眺めていた。それを「あの子は潮風を待っているのだ」と着想した者がいて、♪ああ、君は潮風を待つ少女♪とやった。たいしたものです。ホントかどうか知りませんよ。
(亮)
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