カーステから流れているのは「ダンディズム」。谷村新司は切り口がちょっと風変わりというか、めずらしい視点で歌うことがある。この歌もそう。
♪歌おう君の愛する母の歌を、歌おう私の愛する妻の歌♪
ここでいう「私」と「君」は父と息子である。「君の愛する母」と「私の愛する妻」は同一人物。その人の歌を一緒に歌おうというのである。こんなテーマの曲は他に見当たらない。
♪息子よ、いつの日かこの時が、君の思い出に変わる頃
俺は遠くの酒場で、グラスをあげ笑っている♪
このオヤジ、相当カッコつけてるが、それが実にサマになっている。ムードはどこかしら異国風。日本のお父さんは気恥ずかしくてこうはいかない。でも男ってのは、心の中はエエカッコシイ。だからこの歌、日本のお父さんにも、しみじみとしみ通る。
(亮)
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