カーステから流れているのは、いきものがかりの「YELL」。
♪サヨナラは悲しい言葉じゃない
それぞれの夢へと僕らを繋ぐ YELL♪
子どもにも苦悩はある。それは心の準備体操。脳内回路の試運転。子どもの苦悩には出口がある。それは大人になること。しかし大人になれば、本物の苦悩が待っている。大人の苦悩は現実的かつ切実である。だから歌のテーマになりやすい。子どもは背伸びして大人の歌を聞いていればよい。と、昔はこうであった。しかし近年は、子どもの悩みを大まじめに取り上げる歌が数多く出てきた。歌曲のマーケットが中高生あたりの子どもにまで広がったことや、若い世代が歌を作るようになったことも背景にあるのだろう。多くの才能が取り組むと、いい歌も生まれる。テーマが他愛なくても、いい歌は生まれる。歌曲の良し悪しはテーマでなく表現で決まる。この「YELL」のように。
(亮)
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