カーステから流れているのは欧陽菲菲の「ラブ・イズ・オーヴァー」。
♪Love is over 悲しいけれど 終わりにしよう きりがないから
Love is over ワケなどないよ ただひとつだけ あなたのため♪
お互い心底惚れ合っているのに、男の将来を考えて「身を引く」ということのようです。男の方はその心に思いが至らず、「泣くな男だろう」と女にたしなめられる。
たまにいますね、こんな女神のような人が。聖母たちのララバイ、守ってあげたい、負けないで、TOMORROWなど。歌ごとに状況はまちまちですが、いずれも男を包み込む母性のようなものが感じられます。その中でもこの「ラブ・イズ・オーヴァー」は、歌の背後のストーリーが陰影に富んでいます。悲しみの陰影。恋を捨てるという極限の選択、それをサラリとやってのけたように見せかける女心を、欧陽菲菲が完璧に歌っています。
(亮)
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