カーステから流れているのは「俺たちのロカビリーナイト」。
チェッカーズは不良っぽい曲をうまく歌う。ただ「ギザギザハートの子守唄」はよくなかった。「わかってくれとは言わないが、そんなに俺が悪いのか」なんてバカバカしいことを不良は言わない。「俺はワルだ」という自覚なり錯覚なりが不良にはある。黙ってそう思っている。ことさら言い募ったりはしない。不良にも矜持があるのだ。「俺たちのロカビリーナイト」にはそれがある。まっとうな不良の歌である。
♪ドラム叩いてたダウンタウンのクラブ
今は仲間たちも消えて 指を鳴らす音だけ聞こえる♪
映画「ウェストサイド物語」のムード漂うこの出だし。あの映画もそうであったが、青春とは多かれ少なかれ不良の心を宿している。ちゃんとした不良は人を引きつける。
(亮)
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