カーステから流れているのは「旅の夜風」。歌っているのは神戸一郎と青山和子。
♪花も嵐も踏み越えて 行くが男の生きる道 泣いてくれるな ほろほろ鳥よ♪
この曲の1番は昔からよく知っていた。高倉健の後ろ姿を思わせた。フーテンの寅さんを連想したりもした。長い間これがメロドラマの主題歌だとは知らなかった。「愛染かつら」は戦前の映画である。知らなくて当然。戦後のリメーク版も見ていない。だから曲自体が醸し出すイメージを自分勝手に作り上げていたのである。もはやこのイメージは変わらない。ただ、いま改めて聴くと、女が歌う2番もよい。
♪優しかの君 ただ独り 発たせまつりし旅の空♪
この敬語がすごい。こんな風に言われてみたいものだが、妻に無理強いすれば「もうお帰りあそばさなくとも結構でございます!」と、一回限りの敬語が返ってきそう…
(亮)
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