カーステから流れているのはGLAYの「軌跡の果て」。ロックバンドの声である。野性的で図太い。うなり声といってもよい。こういう声でなければロックは歌えない。優しい声だと激しいビートにかき消されてしまう。この曲のリズムはロックではないが、ロックの声で歌っているところに味がある。
ロックは反体制である。かつて街頭デモの反体制は頭だけで、感性は旧来の演歌や歌謡曲に浸っていた。ロックの反体制はそうではなかった。街頭で騒いだりしない。自分の表現、自分の生きざまとして反体制なのだ。
♪愛されたいと願う事を諦めてしまった
シビれた身体 罪の意識もないさ♪
この歌詞、わけがわからないが、歌っている本人はわかっているのだろう。論理的に意味が通じなくても、聞けばドラマチック。ロックの感性である。
(亮)
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