第8話 ネコの散歩 自分がネコであることを忘れがちなチャトランでしたが、ネコの自覚を取り戻すときもありました。 それは、くーちゃんがチャトランの首輪にひもをつけ、そのひもを持って散歩したときのことです。くーちゃんは、ネコもこうやって散歩するのだと信じていました。 そんな犬のようなマネはできないと、さすがに幼いチャトランも、このときばかりはネコの自覚をもって抵抗しました。 道をまっすぐ歩こうとするくーちゃんに対して、チャトランはあらぬ方へと駆けまわり、さんざんくーちゃんを手こずらせたすえ、ついに犬スタイルを断念させることに成功したのです。 この光景を目撃したお母さんは、 「チャトランはやっぱりネコよ」 と、クスクス笑いながらお父さんに報告しました。 お父さんは感心し、チャトランを見直しました。 (2006.7.27.) |