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第21話 しあわせ
ミミちゃんは幸せだったと思います。
ミミちゃんにとって何か特別いいことがあったという意味ではありません。
ミミちゃんはごはんを食べたり、庭で遊んだり、お出かけしたり、毎日普通に暮らしていました。ずっと続くといいなと思えるような、そんな普通の日々が、おうちのみんなには実は幸せであったのだと、ミミちゃんが死んでからわかりました。みんなが幸せだったのだから、ミミちゃんもきっと幸せだったと思うのです。
おうちではおねえちゃんに大切にお世話してもらいました。
おうちのほかのみんなからも可愛がられました。
目のケガもなおりました。
ネコの子分までできました。
おうちの庭はミミちゃんの天下でした。
自分のおうちまで作ってもらいました。
おうちの外を自由に出歩くこともできました。
すぐ隣にはクリ林があり、近くには原っぱや公園がありました。
近所の人も親切で、いつも誰かに見守られていました。
近くのスーパーでは、いらなくなったダイコンの葉っぱをもらうことができました。ミミちゃんはこれが大好きでした。
思い出がいっぱい、いっぱいあって、書こうとすると涙が出てきます。
本当にしあわせでした。
(2007.8.02.)
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