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第32話 また小鳥騒動
小鳥でみんなを困らせたチャトランですが、お父さんもひどい目にあいました。
休みの日、お父さんは二階で昼寝をしていました。天気がいいので窓はあけはなされていました。チャトランも寝ていました。チャトランの定位置は、風がよく当たる出窓です。そこへ突然、鳥が飛び込んできたのです。スズメより大きな鳥です。その鳥は、入ったはいいが出られなくなり、あっちの部屋こっちの部屋へとバタバタとおうちの中を飛び回りました。そのとき、寝ていたチャトランが跳ね起きて、鳥を追いかけだしたのです。お父さんも異常に気づいて目を覚ましました。ようやく何が起こっているかを理解したお父さんは、早く鳥を家から出そうと、あわてて走り回ることになりました。
「ピー、ピー、ピー」
「フニャオー」
「こら、まて」
本棚の本は蹴散らす、ギターは倒す、そのギターを踏みそうになってお父さんがよろめく。お父さんの頭をかすめて鳥が飛べば、お父さんの背中をネコが駆けのぼる。ものすごいことになりました。人とネコにさんざん追い回されて、鳥はやっと窓から出ていってくれました。鳥が去った後の部屋はめちゃくちゃです。呆然とするお父さんを尻目にチャトランは出窓に戻り、なにごともなかったかのようにまた寝てしまいました。
(2008.7.01.)
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