ギリシャ随想シリーズ (5)ギリシャ語

 ギリシャ語は確かに難しい。
 しかし、アルファベットを眺めるだけなら、実は結構楽しい。
 なぜならギリシャ文字の大部分はどこかで目にしたことがあるものだからである。

 α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)は言うに及ばず、μ(ミュー)はミクロンと
 いう単位で、π(パイ)は円周率で見慣れているだろうし、またΔ(デルタ)、
 Ω(オメガ)、Σ(シグマ)などにも見覚えがあるだろう。

 たとえ見覚えがなくとも聞き覚えくらいはあるに違いない。
 数学や物理学の世界ではギリシャ文字は現在でも頻繁に使われているのである。

 また、ギリシャ文字は日本語の「かな」やローマ字と同じく表音文字であり、
 書いてある文字をそのまま発音すれば良い。
 見慣れないアルファベットを見慣れたアルファベットに置き換えていけば、
 発音するだけならば実はとても簡単なのである。

 例えば、はローマ字風に直せばである。
 つまり、ソークラテースと読めばいいのだ。

 ちょっとした暗号のようでなかなか面白いのではないだろうか。

 (2004年4月9日)

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