ギリシャ随想シリーズ (6)シグマという文字(番外編)

 ΑΒΓΔΕΖΗΘΙΚΛΜΝΞΟΠΡΣΤΥΦΧΨΩ
 αβγδεζηθικλμνξοπρστυφχψω

 前節の「ソクラテス」( )という綴りには、最初と最後にシグマが登場します。
 最初の「Σ」は大文字、最後の「」は小文字。
 ところがこの「」、上に掲げたギリシャ文字の中に見あたりません。
 作者に問い合わせたところ、Σ(シグマ)の小文字は語末では「」、語中では「σ」となる
 不思議な文字なのだそうです。
 しかし弊社のホームページは上に並べた文字しか使えません。
 「σ」はあるが「」がない。困ったソフトです。
 やむなく手書きしたものを貼り付けてしのいでいます。
 ここでロシア語を知っている編集長が登場。編集長曰く、 
 英語の「s」に相当するロシア語は「c」であるが、「s」と「c」は実は同根で、
 ともにギリシャ語のシグマ「」から来ていると。
 上半身は大きく下半身は小さく、ちょうど鎌首を上げた蛇のような形をしているこの「」、
 英語の「s」は「」の下半身が強化されたもので、
 ロシア語の「c」は同じ「」の下半身が逆に退化したものである。

 ところで、素人目には、ロシア文字はギリシャ文字にかなり近いですね。
 文字の形やアルファベットの並び方がよく似ている。
 問題のシグマの付近などは、実にそっくりです。
 ギリシャ語のアルファベット:・・・・ΟΠΡΣΤΥΦΧ・・・・
 ロシア語のアルファベット :・・・・ОПРСТУФХ・・・・

 (2004.4.17)

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