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第7話 たんぽぽの髪飾り
現地の学校へ通い始めてすぐに、5月1日が来た。
5月1日はメーデー、労働者の国・ソ連では最大の祭典である。
クラスメイトの女の子がメーデーの前日に遊びに行こうと誘ってくれた。クラスの有志が何人か集まって、メーデーのために飾りつけられた街を散歩するだけだったが、街中がウキウキとしていた。
郊外まで歩いていくと、丘に一面たんぽぽが咲いていた。
私を誘ってくれた友達はそのたんぽぽで冠の髪飾りを作って自分と私の頭にのせた。それははっと目を引く黄色で花が大きくきれいだった。
日本ではシロツメクサやれんげで冠を作って遊んだことはあったが、たんぽぽで作ると迫力が全く違っていた。なんだかとっても嬉しい気持ちになって、家に着くまで頭にのせていた。
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