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第10話 ダンスパーティー
ラーゲリの夕食後は、体育館のような建物でダンスと映画が日替わりで行われた。
ダンスの前は、女の子たちがおめかしで忙しい。昼間はショートパンツをはいている子もひらひらとしたスカートへウキウキと着替え、鏡をのぞき込み、髪を整えた。マスカラを塗る子もいた。
ダンスの音楽は速いテンポのものとスローなものが交互にかけられる。テンポが速いときは腰や腕を振って輪になって踊る。スローな曲のときは男の子が女の子にダンスを申し込みに来て、女の子が承諾すれば二人で組んで踊る。
人気の高い男の子はどこにでもいるもの。そんな男の子に誘われれば女の子は「どんなもんだい!」といいたげに胸を張ってフロアーに出ていく。壁の花になって眺めていたら、なんと私にもお誘いがかかった。
ダンスの時間が終わる間際「ホワイトダンス」が告げられる。通常は男の子が女の子に申し込むが、このホワイトダンスのときは女の子が男の子を誘う。自分の気持ちを伝えるチャンスとばかり、盛り上がる。気になっている子の前でわざと別の子を誘って気を引くということもある。日本の中学生とは違った彼女たちのおませぶりに驚いていた私。
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