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「おーい、何やってんだ〜」
「モーグルよ〜」
(なんちゃってね、てへ ) |
第24話 スキー
モスクワへ行く前、小学校5年生くらいの頃、両親と日本の山へスキーをしに行ったことがある。
両親も私も初めてのスキーだった。貸しスキーをあてがわれ、先に行っていろと言われた。何の知識もなかったので、山の斜面にスキーを置き、はいた。その途端、スキーは滑り出した。スピードがドンドン増していき、行く方向もコントロールできない。止まっている人たちのスキー板の上も横切るしかない。尻モチをついて止まろうとしゃがんだが、お尻をついたのがスキー板の上。で、止まらない。結局コースをはずれ、窪地にある木立に飛び込んで止まった。息を整え、はずしたスキーを担いで元の場所に戻ったら、両親が私を捜していた。
今でも両親には、
「あのとき、おまえ速かったなあ、すぐに見えなくなったもんなあ」
と言われ、悔しい思いをしている。止まりたいときは横に転べばいいと知ったのはずっと後だった。
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