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これって、ムーンウォーク?
第30話 森のスキー
歩くスキー(クロスカントリー)は学校の体育の授業でもやった。スキー板を抱えてトロリーバスに乗り、登校したものだ。山スキーのような恐怖感はなく、誰でも簡単に始めることができる。しかし、生まれてからずっとやっているクラスメイトのレベルには、とても追いつけない。自分では進んでいるつもりだが、実際には足がすべって、同じ場所で足をパタパタ動かしている感じになってしまうのだ。なかなか友人たちのように一足ごとに大きくすすむことができない。彼らがグランドを何周もする間に、私はやっと一周するのが精一杯。クラスメイトに苦笑されながらドンドン追い越され悔しかった。
しかし、雪がふった森の中をスキーで散歩するのはとても気持ちがいい。ひんやりとした新鮮な空気を存分に吸って、葉が落ちて裸になった白樺林や緑のもみの木の間を駆け抜けるのは、楽しみだった。
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