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第37話 マロース(その2)
出張でハバロフスクへ行った。
ここは盆地のため、冬はいつも寒い。
そして、その年は特に寒かった。
マイナス40度。
さすがの私も経験のない寒さだった。
一緒に出張した同僚と夕食を取りに10分ほど歩いてレストランへ行き、楽しくお酒を飲んだが、また歩いてホテルへ帰る間に、すっかり酔いがさめてしまった。せっかくいい気分になったのに。
酒代返せ、マロース君。
そこで、ハタと気がついた。
よくロシア人は、寒いんだからウオッカでも飲まないとやってられないと、底なしに飲む。日本人のようにほろ酔い加減ということで終わることは絶対にない。とにかく酔うために飲む、ガンガン飲む。
あそこまで飲んだら、マロースの中でも、酔いがさめるなんてことは無いだろうな。
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