第47話 カンニング
ソ連の学校にかよっていた頃の話だが、先生が前回の授業の復習のため、黒板の前に生徒を呼び出し、学習内容の要点を述べさせる。よく勉強してこなかった生徒は、先生が見ていないときを見計らって、黒板の前から他の生徒に「何を答えたらいいのか教えろ」とひそかに尋ねる。日本では、生徒同士教えることはなかったので、盛んにキーワードや年号などを小声で教え合うクラスメイトを見て驚いた。
テストでも、問題が解けない場合、隣や前に座っている同級生に「見せろ」と頼む。頼まれた生徒は、少し答案をずらして見えやすいようにする。そんな光景を何度も見かけた。
頼まれたら助け合うというのが、彼らのメンタリティーのようだ。もちろんばれたら先生にこっぴどく叱られるが。
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