現代徒然草(3)木を植える人




 題を見ただけで良本だとわかる。『木を植える人』。
 ところでどんぐりは、大地に埋めていくと森になるのか。
 すくなくとも日本ではそうならなかった。
 皆伐した斜面では、日当たりを好む熊笹のようなものが優勢となる。どんぐりは発芽出来ないか、発芽しても生長できない。
 ほんの100年ほど前まで、皆伐はなかった。縄文人のころから、選んで必要なものを伐っていた。落葉樹林は再生していた。
 関東以北にスギやヒノキの森はなかったということは知っておく必要がある。
 日光東照宮はほぼケヤキで作られている。
 芭蕉の立石寺は桂の木で出来ている。
 土地の素材を使っている。
 クリの木やカヤの木がいとおしい。
 ブナにいたってはその実までがいとおしい。
 おいしいらしい。昔のままの処理法で食べてみたい。粉にしてほしくない。
 粒々をフライパンでいため、しょう油をたらして味を整える。
 それを食べてみたい。酒はいつものものを。

(武兵衛)
2003.03.14.

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