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上床 和則



第11話 コモロ通信 その2

 コモロ諸島には、インド洋を反時計回りにまわる比較的暖かい海流と、アフリカ大陸とマダガスカル島の間の海峡を抜けてくる比較的冷たい海流がぶつかり、複雑な流れを形成しているように思う。
 島自体にミネラルを多く供給する大河がないためか、プランクトンが大量に発生する世界○大漁場とかには残念ながら数えられていない。しかし、アジ、アンチョビーを始め小型の浮魚も多く、それらを狙
う大型回遊魚もやってくる。その中に、キハダマグロ、メバチ、カジキも登場する。
 先々週の日曜日の早朝に、散歩がてら水揚浜に行ってみた。比較的小型の鮮度の良いキハダマグロが水揚げされており、早速解体してもらう交渉を行う。
 尾の部分から売りつけようともくろむ強者たちを相手に、胸びれ近
くから切るよう要求する。相手は7人、こちらは一人、分が悪い。尾の部分であればキロ当たり円換算で250円なのだが、こちらの意図する部位は、キロ380円くらいと言う。まあ、新参者ということもあり、ご祝儀代わりに妥協して要求する部位を2キロを切ってもらう。
 ただ、こちらの切り方は完全に輪切りである。したがって、短冊状の身がとりにくい。まあ、郷にいれば郷に従えの教え通り2キロの輪切りを持ってホテルに戻る。
 この2キロを大胆に刺身にさばいて、日本から持参したキッコーマン醤油と練りわさびで、日本人3人で平らげた。
 それがこの写真であり、これはほんの一部である。器は調達途上故貧弱で見栄えが悪いがお許しあれ。
 次は、どんな魚が登場するかお楽しみに。

 

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