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 第2話 チュニジア通信 その2

 スファックスの沖合にケルケナ(実はケルケナ島とズィラ島の2つからなる)という島が浮かんでいる。スファックスからはフェリーで1時間くらいであろうか。この島の周囲は大陸棚が広範囲に広がっており、アマモ(海草)が群生し、海に生きるもの達の格好の産卵場となっている。
 この島は国内漁業の発祥の地といってもよく、椰子の葉を海底に順序よく並べた下図のような追い込み漁が発達した。現在では、椰子の葉を垣根にした定置網漁業に姿を変えているが伝統は受け継がれている。また、タコツボによる延縄漁が盛んで、ご当地名物「ケルケナのタコサラダ」は食感がプリプリとし、是非味わいたい一品である。因みに、東京駅の八重洲側に「グリル・シャトー」というちょっとレトロなお店にこのメニューがあるが、残念ながらチュニジア産のタコは使っていないと思われる。


         
   
            ケルケナの椰子の葉による追い込み漁

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