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上床 和則



第22話 コモロ通信 その13

運動不足を解消するため、日曜日に山登りをした。
勤務先の水産学校まで徒歩30分、そこから学校の裏手にある
山を登り始める。
火山性の山に多いゴツゴツした岩肌ではなく、一部はジャングル
で、そこそこ植物の宝庫だ。
しかし結構傾斜がきつい上に、過日の雨で滑りやすい。
傾斜が緩やかになると、地元の人たちがジャングルを切り開いて、
畑で耕作をしている。
多くがキャッサバ、サツマイモなどである。
タロイモは自生の物がところどころに見ることができる。
このほかに、丁字(香辛料になる)、バニラ、イラン・イラン(香
水原料)などが畑で栽培されている。
因みに、今年は国際的に丁字の絶対量が少なく価格が高騰し、一方
でコモロでは豊作で、皆喜んでいる。
山の土はもろくくずれやすい。
大雨が来ると栽培植物も流されるのではないかと心配になる。
生息している動物はというと、野生の犬と猿くらいだ。
正確には名前は知らないが、キツネザルと言われているかわいい顔
をした猿にはお目にかかった。
開けた畑から国立水産学校の敷地と山の頂を写真に納めた。
  





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