第23話 コモロ通信 その14
7月6日はここコモロ連合の独立記念日である。誕生してからまだ36才なので、非常に若い国家だ。それぞれ3島で記念式典が行われた模様が国営ニュースで流れていた。
アンジュアン島の記念式典に見る側として参加した。コモロが独立した1975年当時、どのような情勢だったのか思い描いていた。また同時に自分自身がその頃何をしていたのか思い出していた。コモロ国が独立したニュースを、その当時気にとめたであろうか?
目抜き通りを挟んで席が設けられ、その通りを陸・海軍の兵隊さん
が行進していく。航空管制官、港湾管理官、税関管理官などの行列がその後に続く。その後、学校の生徒や児童が統率が聞かないままに行進していく。それが終わったら、車輌部隊が出てきて、機銃を積んだピックアップトラックがある。
さすがに、戦車、装甲車といったたぐいの物はなく、したがってミ
サイルが連射できるような装備もない。海軍のボートがトラックに乗せられ3隻出てきたが、戦艦は持たないので、これが限度である。
ボートの積みつけ高さを計算間違いしたのであろう、万国旗を次々
に引きちぎって行く。周囲の係官達は大あわてで怒鳴っているが、運転手はどこ吹く風で進んでいく。ヒモの結び先である観閲舞台はそのたびに大きく揺れる。
私はちょうど知事の真後ろに座っていた。右側が知事、左側が軍の最高司令官のようである。
|