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上床 和則



第26話 コモロ通信 その17
 
 ここコモロはイスラム教徒が多く、お酒を飲めるレストランが少ない。長期逗留中のAL AMAR HOTELとすぐ隣にあるHOTEL PAPILLON(直訳:蝶々ホテル)がやはり近くて使い勝手がいい。ROYAL AUBERAGE(直訳:王族宿屋)は宿屋というだけあって安く、徒歩で通える距離である。最近できたCLUB DE LA PAIX(直訳:平和クラブ)は若い経営者が意欲的に近代化を図っているが少々値段が高い。COMPTOIR D'ILE(直訳:島のカウンター)はピザを売り物にしており、海岸縁にあるので風に運ばれる波音が心地よい。LA PAIYYOTE(直訳:ワラ小屋)はその名の通りの作りで現地食が売り物だが、ビールしかない。
 外食の選択肢が少ないなかで、休日の忙しい昼食時などホテルの自室で簡単なもので自炊することもある。ここアンジュアンにはスーパーマーケットはなく、酒屋もない。首都モロニには酒屋があるのに、アンジュアン島では闇で酒を流通させている。
 左から、アンジュアン島で入手したスペイン産の赤ワインで6ユーロである。左から2番目はフランス産ケチャップで最近やっとアンジュア ン島で販売し始め、2ユーロ。真ん中が、フランス産オリーブ2ユーロで、これもやっとアンジュアン島で見つけた。右から2番目が、首都モロニに行くたびに買い出してくるロシア産ウォッカで27ユーロ。最期に一番右がフランス産コンビーフ2ユーロで、これもアンジュアン島で見つけた。
 このほかに、モロッコのサフィ産イワシのオイル漬け缶詰が0.6 ユーロ。香港産の醤油もアンジュアンの店頭に20本くらい並んだのを見たが、本日すでに売り切れていた。ここアンジュアン島でたばこ工場を経営している中国人か、日本食好きのフランス領事エリックが買い占めたにちがいない。刺身には物足りない香港産醤油の味ではあるが、煮物・焼き物には 十分に耐えられる。
 マヨネーズはこの国の人たちは大好きなので問題なく入手できる。もちろん、塩、胡椒をはじめとする香辛料類は十分に揃っている。ただ、ガス燃料があまり普及していないので、停電の時はサンドイッチくらいしか作れない。でも、これだけあれば、皆さんもアンジュアン島で生活できるのでは?

  





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