放課後は
さくら野貿易
放課後のページ
僻地特派員の報告
上床 和則



第41話 コモロ通信 その32

 今日はコモロ最後の日曜日である。
 朝はいつもどおり四時半にイスラム教の礼拝を奨励するアザーンで目覚める。
 今日は停電ではないので拡声器の調子もよく、「さあ皆さん、礼拝に行きましょう」とガンガン頭に響く。どうやらゆっくり寝ていられそうにない。
 ゆっくりと朝食を済ませて事務仕事をしていると、八時ころに道から声がかかる。
 「旦那!旦那!」
 毎日曜日に近くの農家からやってくるおっちゃんで卵を持ってきてくれる。
 日本では卵の価格は10年くらい前まで一個十円であった。世界的にも円換算するとだいたい十円くらいで世界共通の価格に思えた。その後日本では値上がりし、現在一個弐十円くらいであろうか。おっちゃんの持ってくるものは、小粒ながら二十五円とやや高いが新鮮なのでひいきにしている。
 昼飯は軽く済ませようとラーメンをチョイス。
 鶏ガラ粉末だしが市販されているので、それに味噌を入れて味噌スープを作る。麺は、スパゲッティーを代用する。これに卵を落として出来上がり。
 さっきまで晴れていたのに、急に雷雲が立ちこめてきた。
停電する前に送信。では、コモロ通信はまた暫くお休みとします。

写真は、卵売りのおっちゃんで、写真を撮るとなったら一生懸命ポーズを考えだした。
その前にあるのが卵。




[ 掲載一覧 ]