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上床 和則



第48話 コモロ通信 その39

 前回のコモロ通信から1年以上の無沙汰となってしまった。
 ここコモロ国での我々の公務も最終年を迎え、今まで以上に水産学校の我々の職場では最後のあがきのごとくドタバタ劇を展開している。そのような中、唯一の安らぎの場として、アンジュアン島の高台にあるオンボ市区に再び住宅を借りて自炊の生活を確保した。
 ところが、安らぎどころではなく、島内は相変わらずの無計画停電で、何時何時停電の事態になるのかわからない。毎日自宅でパソコンを使って書類作成等の作業を行わなければ間に合わず、電力供給がある時間帯に作業を済ませようと努力する。しかし、そう思い通りにいかないのが世の常で、長時間停電の場合には、パソコンのバッテリー容量が底を尽きるかどうかの挌闘となる。例えば、朝の7時半から午後の6時まで停電と予め確定してくれていれば、それなりの対処法を考えるのだが、深夜の23時頃から朝5時頃まで突如電力供給が行われたりする。この突然の停電と、突然の電力供給にはいつも戸惑うばかりで、パソコン作業の時間配分はある意味ギャンブルと言っても過言ではない。
 本日、日曜日の朝、経験値から言えば夕方まで停電と踏んで、朝9時過ぎに運動に出かけようと家の鍵をかける段階まで来たところ、突然電力が供給された。あわてて室内に戻り、充電が必要なあらゆる機器類を充電状態にする作業から始まる。そして天の恵の時間とばかり、パソコンを起動させて残務処理作業を行うはめになる。
 ところがどっこい午後2時頃、突然停電になり、作業は中止とした。しかたがない。いつも家から見上げている裏山(丘)まで散歩しようと決した。登り口を探し当てるのに苦労したものの、さほど息きることなく丘の上まで登ことができた、写真に写っているは、高台にあるオンボ地区、その下に広がるムツァムドゥ地区およびインド洋である。職場である水産学校は残念ながら写真の枠外である。それにしても、登山途中、あらゆる斜面で開墾され農業が展開されている光景を目にする。しかし、せっかくの腐葉土は豪雨で海まで流出してしまい珊瑚域を窒息状態にしてします。そして、保水力を失った土地は、どんどん痩せ衰えていく状況にある。豊かな海は、豊かな森から始まるということを今一この国で度紹介していきたい。

 前回のコモロ通信で「あまちゃん」を取り上げ、決してそのせいではないが、気がついたら瞬く間に人気番組になってしまった。
それでは皆さん、本日も「ジェジェ」、「ジェマ」の挨拶で一日を健やかにすごしていただきたい。




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