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ナージャのひとりごと
Чебурашка


 第2話 「ジーマとアンドレイ」

 モスクワにいたころ。私の6歳上の兄にロシア人の友達が二人いた。名前はジーマとアンドレイ。この二人がよく家に遊びに来た。ジーマは体が大きく、むすっとしていて妹の私には目もくれない。一方、アンドレイは細身のイケメン、小さい子が好きみたいで、よく私に話しかけてくれた。大好きだった。王子様みたいだった。

 アンドレイがあるとき私にチェブラーシカのぬいぐるみをくれた。そのぬいぐるみに「アンドレイ」と名前をつけて大事にしていた。日本にもちゃんと持って帰ってきたと思う。今はないけど。

 自分の息子をはじめ、ジーマタイプの男の子のほうが圧倒的に多いなと思う。特に日本人は。今ではジーマタイプの子のかわいさもわかるつもり。でも少数派のアンドレイタイプに今でも心惹かれてしまう。息子の小学校時代のサッカー仲間にも一人だけアンドレイタイプがいて、よく娘にかまってくれて嬉しかったものだ。




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