放課後は
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さくら野文壇
【第3作目】
ソ連時代からプロ・チームが存在していたサッカー大国ロシア。
W杯予選で日本に負けた心の傷跡はいまだ生々しく、
かなり屈折した小咄が生まれたようです。
W杯の後
世界があれほど熱狂したワールドカップもすでに旧聞に属しますが、
ロシア敗退後のイワンのことをご報告しておかなければなりません。
日本・ロシア戦の勝敗を決めた稲本の一点は、
「あれはオフサイドではないのか」
という疑問の声がロシアであがっていたのですが、その後、ロシアが
ベルギーにも負け、一次リーグで敗退してしまってからは、
「結局、わがロシアチームは弱かったんだ」
という認識が定着しまして、稲本のゴールがあってもなくてもロシアは
負けていた、とイワンは言います。そして、最近ロシアで流行っている
こんな小咄を教えてくれました。
日本・ロシア戦が終わったとき、審判の判定に納得できない選手たち
は、監督の前で口々に騒ぎ立てました。
選手「あの審判を殴ってやりたい!」
監督「おお、そうか。いっそのこと蹴ってやれ」
選手たちは審判に向かって駆けていきました。コーチがあわてふため
いて、監督に詰め寄りました。
コーチ「大変なことになりますよ! いいんですか?」
監督「いいよ、いいよ。連中が何度蹴ったって、当たりゃせんよ」
(2002年7月)
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