さくら野俳壇-2006-
投稿歓迎!川柳だってやってるよー!
* 佳境に入る千代一豊も菊衣替へ * 鴨の陣ちよこまか進む吾もまた * この赤は誘惑の色万年青の実 * 山寺のほどよくしなふ干大根 * 上京ぞ早めに山を眠らせて * 柿落葉掃き残してや山家閉づ * 平気平気とバスを待つ母村時雨 * 寒星増ゆ史観の系譜それぞれに (大学ゼミの恩師逝き) 《果豆》 (2006.12.22) |
* 日盛をアウレリウスよ駆けて来い * 木槿剪る半過去形の父真似て * 天高し欅並木にあかり窓 * 盛り場の秋を洗ひぬ朝の雨 * 誰も寝てはならぬと新月見張りをり 《果豆》 (2006.10.1) |
*紀の国や朝窓開ければ蝉時雨 *紀の山は上までみかんで埋め尽くされ 鮎 (2006.07.28) |
イタリア5句 * 麦は黄にロンバルディアを縦断す * 歩み継ぐ愛の小径や岩燕 * EU旗加へ涼しき母校かな * 夏草やエトルスコ門の巨石選り * 灯をともすコロッセオ凉しW杯 《果豆》 (2006.7.20) |
むたび
* 母六度帰郷果たせり弥生尽
* 戸袋よ侵略許せ通草咲く
* 藤房を透かす農家の火影かな
* 逝く春や疾きを問はず駒くらべ
* まひまひづ井降り来て夏のシスティナへ
注:まいまいず井戸=カタツムリ状に掘られた井戸 《果豆》 (2006.05.24) |
ー春風に背中押さるる苦吟かなー・・・かな?
* 春光や刈上げの児の疾走す
* きよろきよろと振り向き振り向き沈丁花 * 束の間の更地の果に富士霞む * 木蓮咲く老老介護のとば口に うつしよ * 爛漫の桜花途切れて現世へ 《果豆》
(2006.04.04) |
想定外の“寒き春”八つ当たり川柳もどきです。 ◎ 嘘つきは泥棒の始まり春だとさ ◎ 散奴連(chilled lane)散るも溶けるも九月まで? ◎ 恵方巻バレンタインチョコ二月馬鹿 ◎ 暖冬=寒冬変換ミスなら不起訴です ◎ どうせなら5点セットが語呂は良し 《芹海老》 (2006.2.6) |
* 全山に影なき谷の村真冬 * 短日の早寝遅起き多忙なり * 二年手帳に張りきる右眼や去年今年 * 初太鼓二十数へて夢まみれ * 見納むる初富士淡き町暮し 《果豆》 (2006.1.17) |