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さくら野俳壇-2007- |
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* 筏かづらローマで散りて甲斐に咲く * セバスティアヌスのごと蜩に射抜かるる * 尾花活けとまれワープロ誕生日 * 曼珠沙華過去の蕾は過去として * はらからと唐黍焼きし遠き日々 《果豆》 (2007.10.01) |
* 鰻の日国と身ぬちに活入れて (参院選) * インタフォンに蝉時雨来るバイク便 * 独り言つ蛍袋や母の庭 * 老鶯とは我のことかと谷渡り * 時差ぼけの期限切れたる残暑かな 《果豆》 (2007.8.24) |
* 明易し太平洋をひと跨ぎ * 夢の跡トム・ソーヤらの島茂る * 逃げ水や割るることなき空青し * 野萱草の明き廃道66(旧ルート66) * ゲートウェイ アーチ捩らせ夏あざみ * 二列なる蛍火親しフリーウェイ * 人民の人民による旱かな * ゴスペルが芝生席まで跣まで 《果豆》 (2007.7.13) |
* 鈍行てふ動体視力の花の宴 * 復活祭父と法会の縁とし * クレヨン一本使ひきらせて散る桜 * 居並ぶはかくも無防備チューリップ * 辻ネオン耿耿たりし闇祭 《果豆》 (2007.5.21) |
* 三月や差別用語といふ不気味 (三月の非日本語定義) * 北斗星に掬はれさうな朧月 * ヘルメットの円陣ぴかぴか山笑ふ * 浜っ子の父に手向けり黄水仙 * 桃の花途切れて母は自立せむ * 黄砂増ゆ西太后亡き世紀かな * 花冷にTPOを問ふてみよ 《果豆》 (2007.4.18) |
* 粗忽者の同志張りきり春一番 * 囀や尾長の少子化進む町 * 春満月そつと予約し詩人逝く * 生男雛に見つめられをる佳き日かな * ミモザ咲く今年もつひに待ちぼうけ 《果豆》 (2007.3.8.) |
* 外つ国へローマ字混じり初便 * 三婆が変形に囲む桜鍋 * ユーロ高し洟もかみますデザイナー * 蝋梅に近寄りすぎて及ばざり * 格安のチケット検索春立ちぬ 《果豆》 (2007.2.6) |