独り言

【2005年】


 寒波が日本を襲っている。
 名古屋は58年ぶり、鹿児島は88年ぶりの雪や
 寒さというが、関東はそうでもないと人は思っている。
 しかし局所的にはひどいことになっている。
 小生の家がそうである。
 エアコンが壊れた。
 室内の気温が急降下した。
 「コタツを出せ」
 「ユタンポはないのか」
 コタツはあったが、ユタンポがなかった。
 寝るときたいへんである。
 ふとんに入るなり、丸まるしかない。
 だが、思えば、昔はこうであった。
 その後エアコンなどにたよって軟弱に流れていた年月よ。
 こうやって自然の厳しさに向き合うのもいいんじゃないか。
 などと感慨にふけっていると、女房が文句を言った。
 「亀みたいに首だけおこたつから出すの、やめてくれない。
 私の足が入らないじゃないの」
 すみません。
 (2005.12.22. 社長)
                  

 世の中には理不尽なことが多い。
 柿の話である。
 「カラスに取られる前に取ってほしい」
 「お安いご用」
 小生、安請け合いしてしまった。
 竹ザオを渡された。先が割れていて、
 そこに柿の枝をはさんでねじり取るのである。
 昔よくやった。何ほどのこともない。
 と思ったのが浅はかであった。
 5メートルもの竹ザオを空に向かってふるい続ける
 ことの厳しさよ・・・
 5メートル先の直径数ミリの枝を、同じく数ミリの
 割れ目でとらえることの難儀さよ・・・
 小生すぐヘバッた。
 これは高校生の仕事だ、高校生はいないのか!
 だが、遅かった。小生の横にはカラの段ボール箱が
 二つ置かれていた。ひゃ、百個は取れということか。
 「アホー」
 どこかでカラスが笑っているような気がした。

 (2005.11.28. 社長)
                  

 友人の奥方にひとり賢夫人がおられる。
 小生がおにぎりばかり食っていることを知り、
 いたく哀れんでくださったのであろう、
 今日、所用でお宅を訪れた帰りに、
 「これを食べなさい」
 とオデンを渡された。
 普通なら、小生、礼儀上一度ぐらいは辞退の
 そぶりを見せるのだが、手が勝手に伸びて
 すぐ受け取ってしまった。
 帰宅すると、旅から戻った嫁が待っていた。
 食事の用意は出来ていた。
 しかし、小生は、「このオデンを食べるのだ」
 と断固として言い張った。
 結果、小生のとるべき道は、用意されていた夕食と
 オデンの両方食べるしかなかった。
 ふー、もう動けん・・・

 (2005.10.17. 社長)
                    

 昨夜、知人からメールが来た。
 「独り言」を見たらしい。
 「B君も嫁に逃げられた」
 「とかく龍年生まれの男は一度で結婚が終わらないのが
 通例のようだ」
 ちょっと待った。
 小生、嫁に逃げられたわけではないっ!
 ただ嫁は旅に出た。
 たしかに家を出るとき鼻歌を歌っていたが、
 あの歌は「あずさ2号」ではなかったと思う。

 (2005.10.16. 社長)
                   

 わけあって(深いワケではないが)
 一週間前から一人住まいになった。
 小生、一人の外食は好まない。
 ずっと玉子かけご飯を自宅で食べた。
 さすがに飽きたので麺類に切り替えた。
 麺類も連日続くといやになった。
 そのとき、すごいアイデアがひらめいた。
 昨夜、大量にご飯を炊いた。
 全部おにぎりにした。
 今日からしばらくピクニック気分。

 (2005.10.15. 社長)
    

 小生、今も半袖姿である。
 衣更えがまだなのだ。
 家法のようなものがある。
 衣更えの後は、半袖や薄物が一切消える。
 いつ気温が上がるかわからぬ状況では、
 安易に衣更えなどできないのだ。
 きのうから雨ばかり降っている。
 寒い。

 (2005.10.10. 社長)
                    

 今朝、通勤路に木犀の匂いが流れていた。
 ふいに、絵のような光景が脳裏に浮かんだ。
 昔、金木犀と銀木犀が並んで立っていた。
 祖父も祖母も生きていたころである。
 私は山を走っていた。
 彼岸花が咲いていた。

 (2005.10.07. 社長)
                    

  

 わが社は「五香駅」の近くにある。
 むかし、5番目にできた村らしい。
 初めの村は「初富」という。
 次のように続く。
  初富(はつとみ)
  二和(ふたわ)
  三咲(みさき)
  豊四季(とよしき)
  五香(ごこう)
  六実(むつみ)
 このように、順番に、めでたい名前をつけていった。
 10番目までいった。
 「十倉」(とくら)という。
 そのあたりで疲れたかと思われる。
 11番目以降の村の名前は、かなりいい加減である。
 次のように続く。
  十余一
  十余二
  十余三
 ここまで手抜きすることもなかろうに・・・・

 (2005.9.02. 社長)


 私は、沈思黙考することがある。
 はた目からは、ボケーとしているように見える。
 あるいは眠っているようにも見える。
 実際、眠ってしまうこともある。
 が、眠ろうとして眠るのではない。
 黙考と睡眠は区別しにくい。
 その境界は紙一重とも言える。
 境界がないとも言える。
 いったい何を考えているのか。
 限定された具体的なテーマではない。
 漠然と何かを考えている。
 根元的な、広くて深い何事かがそこにある。
 思考の対象はあまりに広大で、
 こざかしい理性では分割できない。
 「考える」ということを
 ごく狭い意味合いで使うのならば、
 何も考えていないと言うこともできる。
 まあ、そんなわけで、今回はよく寝た。
 もとい、よく沈思黙考した。

 (2005.8.15.社長)
                  

 妹のよしこちゃんが
 やけどで ねていて
 とまとが たべたいというので
 お母ちゃんが かい出しに いっている間に
 よしこちゃんは 死んでいた
 いもばっかしたべさせて ころしちゃったねと
 お母ちゃんは ないた
 わたしも ないた
 みんなも ないた
 (詩集『原子雲の下より』)

 年を経ても、毎年、この日は、この詩を思い出す。
 (2005.8.06. 社長)


 (週刊「サクラノ・タイムス」突撃レポーター)
 タコ社長、気温35度の日にお忍びで、
 九十九里までやってきた感想をどうぞ?

 (社長の弁)
 いやあ、暑いので、干物になってしまった気分です。
 ヒリヒリしますよ。
 それに波が高く、そこで泳いだものだから、
 ふくらはぎの筋肉が痛いのなんのって。ヨレヨレ。
 もう若くないと痛感しました。
 でも、去年は一度も海に行かなかったので
 よくわからなかったのですが、
 最近の水着の傾向を今回完全にチェックしました。
 蛇足ながら・・・。

 
 水着のトレンド調査を敢行とのことですが、
 今後、さくら野としてはアパレル業界にでも
 進出する予定ですか?

 
 我が社のモットー「地球に優しく」を基本コンセプトに据え、
 必要最小限の布地で何とかならないものか鋭意検討中
 ・・・なわけないでしょ!

 (2005.08.05)


 件のサルだが、
 村では評判が悪い。
 女をバカにしているというのである。
 奥さんが棒を振り上げても、
 サルは逃げない。逆に歯をむいて
 威嚇する始末。
 ところが、病気のおじいさんが
 家の中からヨロヨロ出てきたら、
 サルは走って逃げた。
 このサル、いずれひどい目にあうだろう。
 小生などは、女の怖さを知っているから、
 女をバカにしたりはしない。
 やはりサルは浅知恵である。

 (2005.7.21. 社長)
              

 友人の住む里にサルが出るらしい。
 昔はそんなものは出なかったので驚いたが、
 石を投げたら逃げていくので、
 あまり気にしていなかったという。
 ところが、最近は、石を投げたら、
 サルも投げ返してくる、と、友人は困っていた。

 (2005.7.16. 社長)
             

 小生、今もときおりキンカンを食っている。
 しかし、配慮はしている。
 低いところのキンカンを食うようにしている。
 上の方の枝には手をつけない。
 鳥のためである。
 ところが、今朝、小生は見た。
 鳥がわざわざ低い枝にとまって、
 小生のキンカンを食っていた。
 ケンカを売っているのか。

 (2005.5.04. 社長)
                   

 わが家の小さな庭は鳥獣保護区になっている。
 近所のネコは堂々と通り抜ける。
 鳥たちはキンカンを食いにくる。
 小生、最近、その鳥と緊張関係におちいっている。
 小生がキンカンを食いだしたからである。
 鳥がうらめしげに見ている。
 近寄ってこない。
 鳥のやつ、小生を誤解しているのではないか。
 小生、キンカンを独り占めするような心の狭い男ではない。
 キンカンを主食にするつもりもない。
 朝夕、一個とか二個かじっているだけである。
 奪い合う気も敵意もないことをわかってほしい。

 (2005.4.29. 社長)
                   

 庭のキンカンが今年もたわわに実っている。
 「果実酒にしなさい」
 「ジャムになるわよ」
 人はいろいろアドバイスしてくれるのだが、
 わが家では何もせず、鳥が食うにまかせている。
 今朝も鳥が来て、うまそうに食っていた。
 そんなにうまいのかと、小生、ふと、
 ひとつもいで食ってみた。
 む、これは・・・・
 いけるではないか!
 中身ではなく、皮が甘酸っぱくてうまい。
 誰も「皮をそのままかじれ」とは言わなかった。
 きっと、それは、秘中の秘であったのだ。
 小生、ついに、キンカンの秘密を知った。

 (2005.4.23. 社長)
                 

 現代人の語彙のオアシス
 【さくら野三択クイズ】

 ●新ローマ法王の選出会議の名前は?
 1.チエクラーベ、2.タケクラーベ、3.コンクラーベ

 ●イラクの新大統領は誰?
 1.ズワイーニ、2.ワタリーニ、3.タラバーニ

  (答:いつも3番が正解です!)


 今、ロシアにいる。
 小生、出張には歯磨きを持参する。
 数か月前に買った歯磨きチューブがある。
 この間ずっと使っている。
 今朝、これが入れ歯安定剤であることに気づいた。
 小生、入れ歯はない。全部自分の歯である。
 ヌルヌルしてやけに妙な感触だと思っていたが、
 毎朝、入れ歯安定剤を歯にこすりつけていたのか。
 むなしい・・・

 (2005.3.26. 社長)
  

 今日はホワイトデーとか。
 小生、チョコレート屋の商魂に
 踊らされたりはしない。
 その程度の賢明さは持ち合わせておる。
 小生のまわりの女性も賢い人ばかりで、
 バレンタインデーは何もくれなかったもんね。

 (2005.3.14. 社長)

     

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