|
さくら野俳壇-2008- |
|||
---|---|---|---|---|
通勤川柳にトライしました * 増やしてくれ女性化粧囚収臭車両(早口で!) * 英語放送黙し国際平和得る * 微動せずメール打つ指咳自慢 * 着膨れて駆け込み着席瞬間芸 * 石突は寄らば刺すぞと背に構え * 混むほどに励む省エネ立ち寝族 川柳もう一個追加! * 偽装なら直ぐに外そう青バッジ ≪芹海老≫ (2008.12.16.) |
* 釜洗ふ松茸の香を惜しみつつ * 芋虫ぞ佳人の未来誰も踏むな * 散歩てふストレス有りて暮の秋 * 実山椒やジュリアン・ソレルの野心爆ぜ * 議員らの胸にしらじら赤い羽根 ≪果豆≫ (2008.10.27) |
* 一年間待つて待たせる無月かな * 秋冷を乗り換へ駅に忘れ来し * 罠は錆び花水引の独壇場 * 曼珠沙華くちびる褪せてゆくけれど * 缶詰開け噴射成功鰯雲 ≪果豆≫ (2008.9.29) |
* さみだるゝマジョルカ遠き恋の島 * 紫陽花の思案色濃き泣き笑ひ * 夕焼けの彼方に宛てしエアメール * 無限大は単なる記号茅の輪抜け * 狐のごとただ見て帰る青葡萄 * 庭荒れてノープロブレム今年竹 * 日輪もサービス残業大暑過ぐ ≪果豆≫ (2008.8.5.) |
* 穹窿のさ緑かすめ神輿渡御 * 新樹光を泳がす列柱国衙跡 * 青嵐呼ぶ太鼓衆や旧街道 * 花石榴山端の雲に火を点す * モーゼ座す泰山木を見下ろして ≪果豆≫ (2008.6.20) |
* ふらここのキックにきらり雲流る * 母に似て農の昼食萩のもち * マヨネーズ嫌ひ惑はす松葉独活 * パンジー花壇幾何は苦手とささやけり * 蒲公英や獅子も歯磨きするかしら 《果豆》 (2008.4.10) |
* 初太鼓十年紡ぎて大旦 * 咳逃れ席立てば降る咳つぶて * 枯野にも彩ある西口広場なり * 青春の跡地に数ミリ霜柱 * 摩天楼より玻璃の内外冬灯 * 初雪の雪見もさせぬフーガかな * 福は内もう食べきれぬ年の豆 《果豆》 (2008.2.11.) |