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さくら野俳壇-2011- |
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さくら野俳壇-2011- |
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| ＊ かなかなの見えざる網に囚はれて ＊ 片仮名で呼ばるる県や桃甘し ＊ 風に鳴る秋の簾も仕舞ひ兼ね ＊ 厄年の厄日は無事に過ぎにけり（厄日＝二百十日、二百二十日など） ＊ 泣けさうに完全無欠の良夜かな 《果豆》 (2011.9.26)  |
| ＊ あれがまあロイヤルキスか昭和の日 ＊ 鴉二羽夕焼小焼を斜に啼けり ＊ 新暦や柏餅の葉間に合はず ＊ 鈴蘭を被ふ葉叢の過保護かな ＊ ひたひたと初夏の波寄す国カオス 《果豆》 (2011.5.22)  |
| ＊ ３・１１醒めぬ夢見し春半ば ＊ 自粛とて祭を地震（なゐ）の生贄に ＊ 東電より屯田兵呼べ春疾風 ＊ 大理石の卵冷たき復活祭 ＊ 海棠万朶遮断機上がり又下りる 《果豆》 (2011.4.8)    |
| 厳寒も過ぎてしまえば懐かしく・・・ もう春のつもりです。 ＊ 盆梅のソムリエ気取る横歩き ＊ 踏青や銅像の吹くサキソフォン ＊ 春の夢デジタル人になりさうな ＊ 晩学も余生も未定二月尽 ＊ 小走りで追ひつ追はれつ沈丁の夜 《果豆》  （2011.3.01.） |
| ＊ グラッパに止め刺さるる薬喰 ＊ 遅くとも気づく失せ物去年今年 ＊ フルフェイス凩裂きし行方かな ＊ 雪化粧富士は鈍行で仕上げけり ＊ 今年こそ会ひたしと又書く賀状 ＊ 初鴉濡れ羽広げて本殿へ ＊ 咲いた咲いた清く貧しき枇杷の花 ＊ 暦どほりと大寒ほめてみる一日 《果豆》 (2011.1.24.)  |
